オーボエのリードってどんな材料できているの?〜各パーツの解説〜
皆さんこんにちは!オーボエ奏者たむです。今回は、オーボエのリードに使われている材料や道具について詳しく解説していきます!
オーボエのリードってどのようにできているの?
まず、オーボエのリードは、木の部分(ケーン)とコルクの部分(チューブ)で作られています。
ケーンの先は薄く削られていて、余々に厚くなっています。そして金属で作られたチューブに糸で縛りつけられています。
薄い部分で振動を作り、少しずつ厚い部分へ伝え、チューブを経て楽器へと伝わります。
それでは、オーボエのリードに使われている材料や道具を一つずつ紹介していきます。
ケーン
ケーンとは、リードの振動面を作る木材です。葦という植物が使われており、フランスをはじめとしたヨーロッパで収穫されます。
ケーンは木でできているため、材質は収穫された畑によって様々です。
少し前はアリオードというメーカーがよく使われていましたが、現在では様々なメーカーから出ているので色々と試してみると良いと思います。
ケーンは、繊維が細かく真っ直ぐで、よく乾燥しているものが良いと言われています。ケーンは木でできているため、同じものはありません。自分がどの状態のものが好みなのか知っておくと選ぶポイントになります。リードの硬さと模様の有無で目安にすると良いでしょう。
また、舟形のケーンを選ぶときに注意することは、幅の広さです。幅の広すぎるものはオーボエのリードにはあまり向きません。
ケーンを購入後1年くらい経ってからリードを作ると、良いリードになる確率が上がります。
チューブ
チューブは、リードと楽器を結ぶ大切な部分です。現在は色々なチューブが出ており、メーカーや材質によって特徴があります。どれが良いか判断するのは奏者や楽器の相性があるため難しいですが、ここでは簡単に特徴を解説します。
チューブの先のほうから見て円に近い方は、音色が丸く、柔らかく、豊かになります。また、高音も柔らかくなります。しかし、円に近いほど音程や音列は悪くなりやすいです。
だ円に近い方は、音色が平坦になります。しかし、音程、音列は安定していきます。
また、板金が厚いほどしっかり振動を楽器に伝えますが細かい振動は伝わりにくく、板金が薄いほど細かい振動は上手く伝えてくれますが少し非力になりがちです。
マンドレル
マンドレルはリードを削ったり、糸を巻く段階でチューブに刺して使います。チューブの形によって、合うマンドレルの種類が違います。
またリードを作る時だけでなく、チューブの中の金属を補正し安定したリードを作るために使うこともできます。
チューブに強くマンドレルを差し込み、チューブの形をぴったりとマンドレルに合わせると息の通りがよくなりますのでぜひ試してみてください。
糸
糸はケーンとチューブを固定して、安定した振動を伝えます。糸は、ナイロン系のものとシルク系(絹)のものがあり、種類によってリードの性格が変化します。ここではそれぞれの特徴を簡単にまとめます。
ナイロン系
・伸縮性があるため、柔軟性がある。
・リードが暴れやすくなりがちなので、ワイヤーで補正すると良い。
シルク系
・伸縮性がほとんどないためしっかりとチューブにケーンを固定することが可能。
・固定することで振動の伝導率は高くなるが、チューブの金属の部分の振動まで止める場合があるので注意が必要。
シェーパー
シェーパーはケーンの形をとるものです。形をとったケーンのことを舟形といいます。
舟形は色々な種類があり、吹奏感や音色に影響します。
フィッシュスキン、息漏れ防止テープ
糸を巻いたときの息漏れを防止する道具です。また、固定作用もあります。
フィッシュスキンは固定作用は弱いですが、リードの振動を止めることなく息漏れを止めることができます。
息漏れ防止テープは材質もビニールに近いのでしっかりと息漏れを止め、固定能力があります。しかしあまりに強い固定作用があるためにリードの振動自体を止めてしまうことがありますので、注意が必要です。
ワイヤー
ワイヤーの役割は、主にケーンの補正と整音です。暴れているリードを落ち着かせたり、変化しやすいリードを補正することで安定したリードに変えることができます。
ワイヤーを使用すると、リードの持つ振動を抑えることができます。そのため、もともと振動の少ないリードや音が整っているリードには返って逆効果となりますので注意してください。
リードの作り方
それでは、実際にリードはどのように作っているのでしょうか。こちらの記事で解説していますので、気になった方はどうぞご覧ください!
それではまた次回お会いしましょう!