オーボエのリードは自分で作る?
オーボエ奏者にとって一番苦労すること。それはリードです。リードが変化するだけで、音色や吹き心地が別物になってしまいます。
今日では、リードを購入できる楽器店が増えています。私自身も中学高校まではお店で購入していました。しかし、より自分に合ったリードで演奏したいとなると既製品では限界があります。ですから音大生やプロのオーボエ奏者はリードを自作する人が多いのです。
今回はオーボエのリードや作り方について、簡単に紹介していきます!
リードって何?
管楽器に触れたことがない方は、そもそもリードがどのようなものかわからないと思います。ということでオーボエのリードとはどんな物か簡単に説明します。
オーボエのリードは、葦という植物を乾燥させた物でできています。このリードを2枚向い合わせにすると、リードの中央に少しすき間ができます。ここに息を吹き込みリードを振動させることで音を鳴らすのです。身近な物に例えると、草笛に近いかもしれません。この仕組みから、オーボエはダブルリード楽器と言われてます。
また、ダブルリードは水分量によって吹奏感や音色が変化します。吹く際にはリードを湿らせておく必要があるのです。乾燥する冬や、曲中の休みなどではリードを水に浸け、コンディションを整えなければなりません。
リードは木でできていますから、金管楽器のマウスピースのように長持ちする訳ではありません。吹き続けていると消耗するので、オーボエ奏者は数本のリードをローテーションさせながら吹いています。
リードの作り方
それでは、リードはどのように作るのでしょうか。ここでは簡単に説明します。
まず、丸材を加工して1枚の板(かまぼこケーンとも言います)にします。その後シェーパーを使ってリードの形(舟形と言います)にし、金属管(金属管の一部にコルクが巻いてあり、チューブと呼ばれています)に糸で巻き付けます。最後に吹き口を削って完成です。
丸材から作るか、舟形を買ってきて作るかは奏者によります。私は一枚の板、つまりかまぼこケーンの状態に加工された物から作っています。
かまぼこケーンは1枚200〜300円。チューブは約500円。完成品のリードを購入しようと思うと、1本2000円ほどかかるため、自作すると安くリードを手に入れることができます。
詳しい作り方はこちらをご覧ください!
リードを自作するメリットとデメリット
ここまでの話を聞くと、
「自分に合うリードを作ることができるなら、作った方が良いんじゃない?材料費も安いし…」
と思った方が多いかもしれません。それではここで私がリードを作る上で感じた良い点と悪い点をまとめてみます。
良い点
- 自分の好きな材料やチューブで製作できる。
- 完成リードを購入するよりかなり安く手に入る。(加工されていない材料から作るほどコスパが良い)
悪い点
- 製作に時間がかかる。
- 完成しても、吹いてみて音色や吹き心地が好みでは無かったら使えない。
いかがでしょうか。どちらも良し悪しがありますよね…
リードの作り方は人によって違う?
オーボエ奏者は、様々なメーカーの楽器を使っていたり、体格が異なったりします。ですから、リードも人によって好みが異なります。
例えばケーンの材質。硬めの材と柔らかめの材があります。硬度が高いと音も固くなり、音の輪郭がハッキリします。柔らかいと音も柔らかくなりますが、硬めの材よりは輪郭がぼやけた音色になります。
チューブを変えるだけでも音色や吹奏感が変わります。内径や材質が影響するのです。
また、プロ奏者だからといって全員がリードを自作している訳ではありません。自分好みのリードを製作してくれる人がいれば、その人から買って、練習に時間をあてるという方もいます。
まとめ
リードによって吹きやすさや音色が決まる!
リードを作るのは大変!
いかがでしたか。オーボエのリードは奥深いんです。次回はそのリードの製作方法を大公開します!お楽しみに!