木管5重奏にはなぜホルンが入っているの?

皆さんこんにちは!オーボエ奏者たむです。

突然ですが皆さんは、木管5重奏という編成をご存じでしょうか?また、木管5重奏に金管楽器のホルンが入っている理由を知っていますか?

本日は木管五重奏についてご紹介していきます!

木管5重奏はどんな楽器の編成なの?

木管5重奏とはフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、そしてホルンで編成されています。

ホルンは金管楽器、その他は木管楽器に分類されます。木管と金管の違いについては、こちらで簡単に解説していますのでぜひご覧ください!

楽器の管理・維持は大変?

こんにちは!オーボエ奏者たむです♪ 皆さんは、「楽器って管理が大変そう…」と思いますか?実際はどうなのでしょう。 今回は、オーボエの管理方法を踏まえながら解説して…

なぜホルンが入っているの?

では金管楽器のホルンがなぜ木管アンサンブルの中に入っているのでしょうか。

私も色々と調べたのですが、はっきりとした理由はわかりませんでした。しかし幾つか由来を発見したので紹介します!

由来その1

まず1つ目。ホルンはやわらかい音色で、アンサンブルに向いているということです。

  • ホルンのあたたかい響きは木管と上手く混ざる。
  • ホルンは他の楽器の音を包み込む。
  • 時には金管の華やかな音色で主導権を握る。

ホルンが加わることでアンサンブルに豊かなサウンドを生み出すのです。

由来その2

そして2つ目。木管5重奏という名称がつく前にホルンが入るアンサンブルが確立していたということです。

元々この5重奏は、木管・金管という区別がほとんどなかった古典派音楽の時代にできあがった編成でした。アンサンブルが盛んだったこの時代、ホルンはよく木管楽器と一緒に演奏をしていたため、いつの間にか纏められて「木管五重奏」と呼ばれるようになったのです。

ホルンは、中音域のハーモニーやメロディーを補ってくれます。また、ホルンが入る事で全体の音色が豪華になるので使われるようになったのかもしれません。

同じ金管楽器であるトランペットは、宮廷で演奏される高貴な楽器でした。トロンボーン教会で演奏される神聖な楽器というイメージがあり、ホルンは民衆の身近な楽器として気軽に楽しめる存在だったのです。(参考資料:「管楽器おもしろ雑学事典」ヤマハミュージックメディア)

また、ホルン奏者にとって木管5重奏は難しいと良く言われます。それは、ピアノやピアニッシモなどの弱奏が多いからです。一緒に演奏する楽器が木管楽器であるため、ホルンが小さく吹かなくてならない場面が多く、その分演奏時のプレッシャーも増すのです。即ち、音を外す確率が上がってしまうという訳です。

木管5重奏の良さ

木管5重奏は、それぞれの音色が個性的で、音の出る仕組みが違う楽器ばかりです。音色を合わせたり音量バランスを考えたりするのはとても難しいです。しかしそれが出来た時、木管五重奏は小さなオーケストラのような響きがします。それぞれの音色が重なり合って生み出される多彩な響きが木管5重奏の醍醐味だと思います。

木管5重奏の有名な曲

それでは、ここで特に有名な木管5重奏の曲を紹介します。気になった曲がありましたら是非聴いてみてください♪

イベール 木管五重奏曲のための3つの小品

1楽章は明るく弾むような音楽、2楽章はフルートとクラリネットの美しい掛け合い、3楽章はクラリネットの旋律が特徴的です。

ラヴェル クープランの墓

ピアノ組曲の「クープランの墓」を木管5重奏用に編曲したものです。原曲は6つの曲からなっていますが、この木管五重奏曲は4曲になっています。冒頭の美しいオーボエの旋律はとても印象的です。

ファルカシュ 17世紀の古いハンガリー舞曲集

5つの舞曲からなる曲で、ハンガリーの民族音楽の要素を持ちます。一曲目の祝祭風・行進曲風の序曲は華々しく、二曲目はハンガリーの舞曲「チャルダッシュ」における緩やかな導入部を指す「ラッス」と、緩急で曲が並んでいきます。終曲「跳躍の踊り」はその名の通り、フルートのジャンプするような細かい動きが踊りを連想させます。

ミヨー ルネ王の暖炉

ルネ王とは、15世紀に生きた「善良王」の異名を持つフランスの貴族であり、一時はナポリを治めていました。ミヨーの故郷には、冬の間もよく日が当たる暖かい場所があり、ルネ王はそこへ毎日のように出かけたそうです。これが、曲のタイトルでもある「ルネ王の暖炉」であり、それをモチーフに曲が作られています。

ヒンデミット 5つの管楽器のための小室内音楽

この曲は、新古典主義に基づく全5曲の小品で構成されています。1曲目は軽快な行進曲風リズムが特徴的で、各楽器が主題をリレーします。2曲目は近代的な響きのワルツで、中間部はメヌエット風です。3曲目は葬送行進曲風の主題が荘重に奏でられ、中間部はボレロのリズムに乗り、ホルンが主題を奏します。4曲目は激しいトゥッティ主題と各楽器のソロで構成されています。5曲目は頻繁に出てくるアクセントが印象的で、トゥッティで活発に前進し躍動します。

まとめ

木管5重奏は楽器がバラバラで、アンサンブルが難しいけれど、それが合わさるとオーケストラのような豊かな響きになる!

いかがでしたか。木管5重奏について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。それではまた次回お会いしましょう!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です